大切な人を失った時

今日、友人のおばぁちゃんが亡くなりました。
大好きなおばぁちゃんだった。

グアムから帰って来て、
日常を過ごしてた私に突然訪れた別れ。
胸に穴があいた気分だった。

渋谷から２時間ほど歩きながら
無力さに涙がでた。

人の死に、どうすることも出来ないこと。
悲しみの置き場所も、後悔の置き場所も分からない。

何もできないんだ。

友人に対してできることもたかが知れてる気がした。
言葉も態度も、
本質的にはなんの救いにもならない。

家に帰って、一人でぼーっとしてると、
友人から電話がかかってきた。
私より先に声を出した友人は、穏やかな声だった。

少し話しをして電話を切ろうとしたら、
彼女にこう言われた。

「あなたに伝えたいことがあるの。」
そして彼女はこう続けた

「あなたのおかげで、おばぁちゃんに自分が頑張ってる姿を見せることができた。
だから感謝してる。ありがとう」

彼女は友人でもあり、
BEBEのバンドメンバーで、ずっと一緒にやってきた仲間だ。

��００９年にBEBEでやった１０００人ワンマンライブ。
それが彼女のおばぁちゃんが見に来てくれた最後のライブだった。

「あのライブを見せることができて良かった」と、彼女は泣きながら言った。

からだの内側が震えた。震えるほど、感動した。

こんな時に私の方が支えられてしまった。
何もできないと思っていた私に、「ありがとう」の言葉は大きく響いた。

精一杯生きているだけでいいのだと思った。
例えそれに結果が伴わなくても、挫折しても、失敗しても。

私たちは生きてるだけで大きな力を放ってる。
人の死に直面した時、確かに人は無力さや後悔を感じるけれど、
それはきっと少しずつ解決できる。

私も８年前家族を失ってからずっと傷みを感じて来たけれど、
今日友人からもらった電話が、長年の傷みを随分解放してくれた。

自分がやりたくてやったワンマンライブ。
必死に走り抜けたあのライブがこんな形で返ってきた。

自分なりに生きることが、誰かの為になる。
今日、そのことを確信できた。

感謝をしてくれた彼女に誠意を持って生きていきたいと思う。


そして最後に愛をこめて。
おばぁちゃん、ありがとう。